vol.26 苗の植え付け

問答形式で学ぶ園芸知識問答形式で学ぶ園芸知識

問題 vol.26
苗の植え付け

柴田忠裕先生から、園芸に関する問題を出題!
問題文が正しいと思えば「⭕」、間違っていると思えば「❌」で解答してください。

第1問

樹木の植え付け適期は、落葉樹は落葉期、常緑樹は萌芽する約2カ月前の3~4月頃か、暑さが一段落する9~10月(関東地方)である。

正解です!

 落葉樹は落葉期であれば植え付け可能。常緑樹は蒸散活動が続いていることから、すぐに根が出る時期がベストである。新根が活動を始める時期は萌芽する2カ月前であるため、3~4月がベストで、次いで9月中下旬~10月上中旬がベターである。

コモで巻かれた根鉢
残念! 不正解です
第2問

根部をコモで巻いた根巻き苗を植え付ける際、巻いてあるコモを慎重に剥いでから植え付ける。

残念! 不正解です
正解です!

 根巻き苗は根が乾燥しないよう株元の土を付けて掘り上げ、それが落ちないようにコモ等で巻かれている。根の周りの土が落下すると根がむき出しになり乾燥するため、活着が劣る。巻かれたコモは1カ月くらいで腐ってなくなるため、植え付けの際は、コモを外さない。

コモを外すと土が崩れ落ちやすい
第3問

街路樹の苗を植え付ける際、乾燥を防ぐため深植えすると良い。

残念! 不正解です
正解です!

 街路樹を植える時、植え付け後の乾燥を防ぐため、深植えする傾向が見られる。しかし、根は酸素を要求し、下方向に伸びる性質(正の屈地性)があるため、深植えすると酸素不足に陥り、さらに酸素を求めて重力に逆らい上側に根を伸ばすため、苗に負荷がかかる。根鉢の肩が見えるくらいの浅植えが良い。

肩の部分が若干出る位に浅く植える(周りの土手は水鉢)
第4問

ポットで栽培した苗を植え付ける際、できるだけ根鉢を傷めないよう注意して植え付ける。

残念! 不正解です
正解です!

 苗を植え付ける際、根を切った部分から新しい根が伸び出す。ポット苗をそのまま植え付けると、今までの根が今まで通りの慣性で伸びるだけで、外に向かって伸びないため、なかなか根が張らず活着も遅れる。多少根をほぐしたり切ったりすることを勧める。

根鉢を崩し根を切り詰めてから植えだす
第5問

樹木苗の植え付け後、支柱を立ててそこに誘引固定すると活着が良くなる。

正解です!

 苗を植え付けたら、支柱を添えて誘引固定する。固定しないと風で植物体が動き、せっかく伸びた根も切られ、活着が悪くなる。

植え付け後は支柱等に誘引固定る
残念! 不正解です

園芸知識コラム vol.26

 現在、ある球根生産者、育種家の講演会用資料の作成を手伝っている。彼は旧制中学を2年で中退し、それ以降球根のブリーダーとしてほぼ一生を新品種育成に心血を注いでいる。その情熱は並々ならぬものがあり、世界に一つだけの新品種育成を目標に、朝の3時から交配にいそしみ、育種学・遺伝学の理論では考えられない組み合わせの交配を成功させている。そのために、世界各地を飛び回って数々の原種を集め、片っ端から掛け合わせたり、雄雌を交換したり、交配時間を変えたり、とにかくあらゆる可能性にチャレンジしている。「やらなければ夢は実現しない」をモットーに、90歳近い歳でもまだ交配を楽しみ、交配にいそしんでいる。まさに球根レジェンドと呼べる人で、その情熱を植物に携わる多くの方に感じ取ってもらいたい。

柴田忠裕

出題者:柴田忠裕

千葉県生まれ。新潟大学農学部、同大大学院農学研究科卒業後、現千葉県農林総合研究センター花植木研究室に勤務し、コニファーの栽培技術や屋上緑化素材であるマット植物、植木盆栽類の輸出技術の開発にあたる。平成26年3月に定年退職し、現在は(公社)千葉県園芸協会種苗センターセンター長、花卉懇談会会長を務める。

トップへ戻る