問題 vol.09
挿し木③
柴田忠裕先生から、園芸に関する問題を出題!
問題文が正しいと思えば「⭕」、間違っていると思えば「❌」で解答してください。
わが国にあるキンモクセイは種子ができない。
残念! 不正解です
正解です!
キンモクセイは、日本を代表する芳香を放つ樹木の一つで、その花はジンチョウゲ、クチナシとともに、「三大芳香花」と呼ばれる。中国原産の雌雄異株で、当初わが国へは雌株が渡来し、それを栄養繁殖で増やしたため雌株のみが普及。受粉されないため、種子ができなかった。しかし、近年は雄株も導入され、種子ができるようになった。将来形態の異なるキンモクセイの品種が誕生するかもしれない。
オリーブは自家不和合性が強い植物であるため、安定した結実を得るには開花期が同じ異品種を植え付ける。
正解です!
最近は自家受精の品種も見られるようになったが、大多数のオリーブは自家不和合性の性質が強いため、異品種を植え付け、相互に花粉を配ることが安定した結果につながる。ただし、自家不和合性が強い品種でも、数は少ないが全く結実しないことはない。
残念! 不正解です
ダイダイの果実や果皮には、リモネン等の精油成分やビタミンなどが豊富に含まれ、漢方の素材となっている。
正解です!
ダイダイの果実は熟しても落果せず、2〜3年はそのままなり続けることから、「代々にわたって(家が)栄える」の意味で正月飾りに使われるめでたい植物である。さらに、乾燥した果皮は橙皮と呼ばれ、去痰や健胃効果がある。花は甘い芳香を放ち、その花を蒸留して得られるネロリは、高価ではあるが美容面で女性の味方であり、憧れの一品である。
残念! 不正解です
セイヨウハッカはこぼれ種子で増え、雑草化しやすく問題となっている。
残念! 不正解です
正解です!
セイヨウハッカはシソ科ハッカ属(ミント属)の植物で、品種も多く一般に販売されている。生育旺盛で匍匐茎が四方に伸び、放任すると雑草化しやすい。もちろん開花し、種子もつけるが、種子での繁殖は顕著ではなく、雑草化する主要因は匍匐茎の伸長である。肥沃な土地で放任した匍匐茎は、ゆうに直径1cmを超え、処分にも手間がかかる。
マウンテンミント(Mountain Mint)は、ミント属の中で最も香りが強い。
残念! 不正解です
正解です!
白っぽく魅力的な葉色と強烈なミント臭を放つマウンテンミント。「ミント」という名前がついているもののピクナンテマム属の植物で、ハッカ属(ミント属)の植物とは区別される。初夏から夏に開花し、花もちが良いため切り花やスワッグなどの素材として使われる。花はそのまま秋まで残るため、長期間楽しめる。匍匐茎で這い広がる。
園芸知識コラム vol.09
先日、長野県の松本で切り花の生産をしている一級上の先輩がテレビに出ていた。ラナンキュラスの生産が佳境にはいった様子の放映であったが、その中で「たとえ一輪の花でも家庭の中にあると、雰囲気が和み安らぎが得られる。花も心の栄養と捉え、飾ってほしい」と言っていた。われわれ植物に関係する者として、人間生活に植物は欠かせないもので、植物からたくさんの恩恵を得ている現実を唱え、植物を愛で、できれば栽培してほしい旨の発信を絶えず行ってほしいと思っている。