問題 vol.13
秋の手入れ
柴田忠裕先生から、園芸に関する問題を出題!
問題文が正しいと思えば「⭕」、間違っていると思えば「❌」で解答してください。
秋に落ちた枯葉を積み上げ、腐熟させたものが園芸で使われる腐葉土である。落葉広葉樹、常緑広葉樹、針葉樹を問わず腐葉土になる。
残念! 不正解です
正解です!
腐葉土の原料は短期間に多量に集めることができ、葉が薄く分解しやすい落葉広葉樹が適している。常緑広葉樹は葉が厚くその分栄養価が高いが、落葉量が少なく、しかも夏前に落葉するものが多いので、集めるのに苦労する。針葉樹は油分を含むため分解に時間がかかり、一般的には利用しない。
果実を収穫した後に与えるお礼肥は、チッソ成分に富む即効性の化成肥料が好ましい。
残念! 不正解です
正解です!
果実を収穫した後に、株の疲れを取って来年に備えるためのお礼肥をあげることが多い。しかし、すぐに冬を迎えるため、チッソ分が多い肥料を与えると秋伸びを助長し、伸びた枝は寒さで傷むことが多い。与える肥料はチッソ分が少なく、リン酸・カリ分に富む化成肥料や液体肥料が好ましい。
落葉樹の整枝・剪定は、葉が落ちた休眠期に行い、葉が茂る時期は樹形を整える程度にとどめる。
正解です!
本格的な整姿・剪定時期は、落葉樹、常緑樹、針葉樹で異なる。落葉樹の剪定は葉が無い休眠期に行い、夏は樹形を乱す枝を落とす程度とする。常緑樹・針葉樹は休眠期の冬に行うこともあるが、一般的には温度が上がりはじめる萌芽前や夏季に行う。
残念! 不正解です
秋に熟すと紫色になる実をたわわにつけるムラサキシキブは、放っておくと強い枝が出て大きくなり、樹形も乱れやすい。そのため、7〜8月に一度地際で切り戻すと良い。
残念! 不正解です
正解です!
ムラサキシキブは野趣を感じる植物で、秋に紫色に熟した小果がたわわに実る。日本庭園の片隅にさりげなく植えられるように、普通は自然形に仕立てられ、樹形を乱す強い枝のみ基部近くで切り戻す。夏に地際で切り戻すと丈は抑えられるが、開花せず実も望めない。
秋に咲くサザンカは、花後すぐに剪定すると来年の花付きが良くなる。
残念! 不正解です
正解です!
サザンカは花が少ない秋に開花し、童謡にも歌われるように我が国では馴染み深い樹木である。花木類の多くは花後に剪定するものが多いが、サザンカは花後に樹形を乱す枝のみ落とし、本格的な整姿・剪定は花芽分化期(7月頃)前の4月くらいに行う。
園芸知識コラム vol.13
「今年の夏は例年より暑かった」と、毎年繰り返し言われるようになった。このことは、年々暑さが厳しくなっていることを表している。9月に襲った台風13号は、千葉、茨城、福島に大きな傷跡を残した。茂原市では、時間雨量100mm以上、1日の雨量は約400mmを記録し、各地で浸水被害が多発した。この欄で地球温暖化を何とか阻止したいと言い続けてきたが、これ以上温暖化が進めばより大きな災害の発生が懸念される。先般開催された国際会議において、地球沸騰化という嘆きにも似たワードが飛び出した。危機的状況の逼迫を察知し、関係者から出た言葉だと思われる。この意味を多くの方が理解し、みんなの英知を結集して温暖化と戦おうではないか。いつやるの? 今でしょ。