問題 vol.19
地球温暖化と植物
柴田忠裕先生から、園芸に関する問題を出題!
問題文が正しいと思えば「⭕」、間違っていると思えば「❌」で解答してください。

地球温暖化(地球沸騰化)が進むと、これまで何の問題もなく栽培できていた植物の栽培が困難になる。
正解です!
地球の平均気温は100年前と比べ1℃近く上昇している。たかが1℃と思いがちであるが、人間は科学の力で調節可能な温度でも、植物にとっては一大事である。特に夜温が上がると、収量・品質に多大な影響が出る。このため、栽培できる植物が限定される。

引用:デコ活 ウェブサイト(https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/ondanka/)
残念! 不正解です

ミカン既存産地の生産が衰退し、数十年後には北海道が主産地と化す。
残念! 不正解です
正解です!
温暖な気温を好むミカン類も、温暖化が進むと収量・品質が低下し、産地が移動するとされている。数十年後でも北海道での栽培は難しいと思われるが、このまま温暖化が進むと北海道が主産地になると思われる。


高温化とともに一部は乾燥化も進むと思われ、乾燥に強いトチノキ、マロニエの需要が高まる。
残念! 不正解です
正解です!
温暖化の影響といわれるが、高温化とともに、極端な乾燥や豪雨が起こりやすくなっている。昨年の新潟米も、乾燥で収量と品質が低下した。街路樹も高温、乾燥下に置かれるため、耐乾性が求められる。トチノキの街路よく見かけるが、雨が少ない年は葉が枯れあがりやすい。耐乾燥性樹木のリストアップが必要である。


都市緑化用の樹木は、今まで以上に耐陰性が求められる。
正解です!
都市の中の緑化が進み、ビルの周りに森が作られ、涼しい緑陰を求めて人々が集うスペースや、園路が縫うように設けられている。多くは高木の緑陰樹の下に低木が植栽され、複合的な森が再現されているが、そこで栽培可能な耐陰性の植物のリストアップ化も重要である。

残念! 不正解です

これまでは亜熱帯や西南暖地でしか見られなかった病害虫が今や日本各地で猛威を振るっている。
正解です!
十数年前の文献では、西南暖地が北限であったモンアシブトゾウムシやタイワントガリキジラミ等の害虫が、千葉では普遍的に見られるようになってきた。松枯れの原因であるマツノザイセンチュウを伝搬するカミキリムシも徐々に北上し、東北地方まで勢力を拡大している。植物の移動に伴って広がった人為的な原因もあるが、これ以上拡大しないよう気を付けたい。


残念! 不正解です
園芸知識コラム vol.19
昨年更新された猛暑記録が、今年すでに塗り替えられた。例えば、福岡県大宰府市では猛暑日が2カ月以上となり、社会生活に支障をきたしている。台風も大型化し、これまで以上に重大な被害を及ぼすことが懸念される。温暖化の主要因であるCO2等の温暖化ガスの排出量の2/3は中国、アメリカ、インドで占められているが、日本でも、温暖化ストップのための世論形成を図る必要がある。また、政治の世界では再生可能エネルギーの拡大を唱える方が多いが、それをつくるための機材にエネルギーを先行投資し、山を開拓し、ソーラー発電の海をつくるのはいかがなものか。