vol.15 日本の庭木

問答形式で学ぶ園芸知識問答形式で学ぶ園芸知識

問題 vol.15
日本の庭木

柴田忠裕先生から、園芸に関する問題を出題!
問題文が正しいと思えば「⭕」、間違っていると思えば「❌」で解答してください。

第1問

アオキは代表的な陰樹で、日陰地の緑化に欠かせない存在である。このアオキは、南東北以西の山地に分布するが、日本海側の豪雪地には変種のヒメアオキが分布する。

正解です!

一昔前は「厠の木」と呼ばれ、便所の目隠しに使われることが多かった。しかし、耐陰性が高く今では美葉な品種も多数出てきたことから人気が高まりつつある。日本海側の豪雪地には、圧雪に耐えられるよう枝が柔軟な変種のヒメアオキが分布している。

アオキ・内田錦
アオキ・内田錦
残念! 不正解です
第2問

日本庭園で見られるタギョウショウはクロマツの変種で、管理もクロマツに準じる。

残念! 不正解です
正解です!

全国の神社仏閣や日本庭園で見られるアカマツの園芸品種で、タギョウ(多行)とは、株元から多くの幹が出る様を表し、英名の「Japanese umbrella pine」が表すように傘状の樹形になる。管理はアカマツに準じる。

タギョウショウ
タギョウショウ
第3問

ツバキは豪華な八重咲から茶花に用いられる一重咲まで多くの品種があるが、特に小型で白花のグループをユキツバキと呼び、区別している。

残念! 不正解です
正解です!

ツバキは主に本州の山地に分布するヤブツバキ、日本海側に分布するユキツバキ、両者の中間タイプのユキバタツバキに大別される。このうち、ユキツバキは豪雪地に対応する枝の柔軟性を持ったもので、現地では雪の重みで枝が垂れるように伸びる。

ユキツバキ
ユキツバキ
第4問

サンシュユは色々な別名があり、早春に黄色の小花を咲かせることから「ハルコガネバナ」、秋には果実が鮮やかに赤熟することから「アキサンゴ」とも呼ばれる。乾燥した果実は山茱萸(サンシュユ)と呼ばれ、生薬として使われる。

正解です!

早春に開花する春を告げる花木で、ハルコガネバナの名の通り黄色の鮮やかな小花が密生する。中国原産の樹木で、薬用植物として渡来した。秋に熟す果実を乾燥させたものが生薬名で山茱萸(サンシュユ)と呼ばれ、その名前通りサンシュユと呼ばれるようになった。果実は赤熟し、目に鮮やかである。

サンシュユ
サンシュユ
残念! 不正解です
第5問

サルスベリは夏の花木として欠かせない存在であるが、うどんこ病に罹病しやすい欠点があった。そこにシマサルスベリの血を入れることで抵抗性の品種が多数作られている。

正解です!

流通するサルスベリの多くは中国原産のインディカ種が多かったが、うどんこ病に罹病しやすい傾向が見られた。南西諸島原産のシマサルスベリはうどんこ病抵抗性を持ち、今では両者の種間雑種である耐病性を持った園芸品種が作出されている。

シマサルスベリ
シマサルスベリ
残念! 不正解です

園芸知識コラム vol.15

佐倉ハーブ園の園長になって10年目。できるだけ来園者と話すように心がけている。そして決まって、なぜハーブ園に来たのか尋ねるようにしている。回答の多くは、①健康にハーブが良いから勉強に来た②ハーブの香りが好き③口コミで運が良ければ私が入れるハーブティーを飲める―この3点がほとんどであった。要するに、健康のためハーブなどの植物と接したいようである。
ガーデン材料にハーブ類を加え、その使い方を教示してあげることで、新たな需要喚起ができると思った。半日蔭の部分にクロモジを植えたり、日当たり良好地にオリーブやセイヨウニワトコ、ゲッケイジュなど場所に応じ植栽したりすることで、趣味と実益が得られるガーデンができる。

柴田忠裕

出題者:柴田忠裕

千葉県生まれ。新潟大学農学部、同大大学院農学研究科卒業後、現千葉県農林総合研究センター花植木研究室に勤務し、コニファーの栽培技術や屋上緑化素材であるマット植物、植木盆栽類の輸出技術の開発にあたる。平成26年3月に定年退職し、現在は(公社)千葉県園芸協会種苗センターセンター長、花卉懇談会会長を務める。

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