問題 vol.07
エディブル植物
柴田忠裕先生から、園芸に関する問題を出題!
問題文が正しいと思えば「⭕」、間違っていると思えば「❌」で解答してください。
パクチー(コリアンダー)は茎葉や種子を食用や香辛料に利用されるが、根は食べられない。
残念! 不正解です
正解です!
パクチー(コリアンダー)は、地中海沿岸原産のセリ科コエンドロ属の一年草で、わが国へは10世紀に渡来したとされる。パクチー女子が出現するなど、女子を中心に人気が高い。新鮮な茎、葉は生食したり料理に使われ、乾燥種子は柑橘系の香りがし、スパイスとして使われる。茎や根は、煮込み料理に使われる。
ローゼルは種子の周りを覆う肥厚したガク(総苞片)を食用にするが、葉や種子は利用できない。
残念! 不正解です
正解です!
ローゼルはオクラと同じアオイ科に属するハイビスカスの仲間である。熱帯地域では多年草扱いされるが、冬が厳しいわが国では一年草として扱われる。春植えした苗は、夏に向かいすくすくと伸び、軽く2mを超す。短日で開花が誘導され、その後実る果実の周りの肥厚したガク(総苞片)を利用する。それにお湯を注いでお茶としたり、ジャムなどに加工するのが最も簡単な利用方法だ。また、若葉は生食したり佃煮風に煮る。炒った種子は飲用される。
メントールの含有率が高い「和ハッカ」から作られる「ハッカ脳」。この主産地である北海道では、戦前まで世界で流通する半数以上を生産していた。
正解です!
北海道土産にハッカ油をいただくことがある。戦前から北見を中心とする地域ではハッカ栽培が盛んで、関連する製品が多数生産されている。一時は合成香料の台頭で生産が減ったが、近年は天然香料の人気が高まり、生産も増加傾向にある。和ハッカはメントールの含有率が高く、解熱や健胃、駆風などに使われるが、他のミント類と比べ飲用には向いていない。
残念! 不正解です
バジルは、雨や夜露が当たると病気が出やすいものと、そうでないものがある。
正解です!
ピッツアの上にトッピングされるスウィートバジルは、雨露が当たると病気になりやすい。一方、私の経験では、カプアトゥルーシー(グリーンホーリーバジル)、ヴァナ・トゥルーシー(ツリーバジル)、レモンバジル、シナモンバジル、アフリカン・ブルーバジル、タイ・スウィートバジルは露地栽培が可能であった。特にアフリカン・ブルーバジルは降霜時まで開花し、観賞期間が非常に長い。
残念! 不正解です
バラの果実はローズヒップティーとして飲用されるが、ハマナス果実はローズヒップティーに利用されない。
残念! 不正解です
正解です!
ローズヒップティーに含まれるビタミンCは熱で壊れにくく抗酸化作用があり、女性に人気がある。わが国自生のノイバラ果実もローズヒップティーに使えるが、果実が小さいため数量がいる。世界的に流通するローズヒップティーは、ロサ・カニナであることが多い。巨大な果実のハマナスもローズヒップティーとして飲まれるが、ジャムなどに加工されることも多い。
園芸知識コラム vol.07
数年前にバタフライピー(蝶豆)の人気が高まり、インスタグラムに青いティーの画像が頻繁に投稿されていた。この色はバタフライピーの花弁に含まれるアントシアニンによるものだが、酸性度で色が変わる。例えばレモン果汁を数的垂らすとピンク色になる。この現象が巷で人気を呼ぶ理由であった。しかし、その人気も長く続かず、今はローゼル果実に由来する真っ赤なお茶やスカッシュに人気が移ってきた。思い返せば、より以前にはパクチー女子が現れ、やたらパクチーを食していた。こうを考えてみると、流行は作られるもので、それもそう長くは続かないことがわかる。これからヒット商品を出すためには、多くの人に認知され共感を呼ぶように、見せ方を工夫する必要がある。