問題 vol.10
グランドカバープランツ
柴田忠裕先生から、園芸に関する問題を出題!
問題文が正しいと思えば「⭕」、間違っていると思えば「❌」で解答してください。
草丈が低いシバザクラやヒメイワダレソウなどの宿根草をグランドカバープランツと呼ぶ。
残念! 不正解です
正解です!
グランドカバープランツは芝生のように地面を覆い生育する植物で、茎葉で光線を遮るため雑草種子が発芽しにくい。シバザクラやヒメイワダレソウ、リシマキアなどの宿根草はその代表であるが、ハイネズやクリーピングタイムなどの木本植物、メキシコマンネングサなどの多肉植物もグランドカバープランツの構成員である。
ヤブランやノシランは耐陰性に富み、花も美しいラン科植物である。
残念! 不正解です
正解です!
ヤブランやノシランは、日陰下でも生育可能な耐陰性に富む緑陰植物で、ランという名前からラン科の植物と思われがちであるが、両種ともキジカクシ科ヤブラン属の植物である。旧科名のユリ科の方が馴染みある方もいるのでは。近年は花が美しい品種も多数育成され、ガーデニングに多用されている。
ガーデニングで人気の「ホスタ」は、アメリカ原産の宿根草で、さまざまな品種が作出されている。
残念! 不正解です
正解です!
ホスタの和名は「ギボウシ」。地域によっては「ウルイ」と呼ばれ、山菜として食される。キジカクシ科ギボウシ属の宿根草で、日本を中心とする東アジア原産である。さまざまな形態の品種が作出されており、ガーデニングの修景に使われる。過去に海外に渡った株から改良された品種が逆輸入され、レパートリーが広がっている。
カクトラノオやマウンテンミントなど宿根性のハーブは、栽培後数年で草丈が低くなるなど生育が衰える。
正解です!
カクトラノオなど多くの宿根草は、定植後数年間は生育が旺盛で株も順調に生長するが、その後は徐々に生育が衰えはじめ、草丈も低くなる。植物によって主要因は異なるが、アレロパシー物質の蓄積、特定栄養素の欠乏、特異な病害虫の増加等の原因により、徐々に生育が衰えると言える。
残念! 不正解です
匍匐性のアジュガやバーベナは、数年で植えた場所から消え、周囲に飛散(逃避)する。
正解です!
アジュガやバーベナ、リシマキアなどの匍匐性植物は、定植後四方に茎を伸ばし、接地点から不定根を出してさらに這い広がるが、数年後には定植場所に株はなく、ドーナツ状に周囲に広がり繁茂することが多い。これも連作障害が原因と思われ、はじめに植えた場所に同じものを植えても生育しないか、生育が劣る。
残念! 不正解です
園芸知識コラム vol.10
代々木公園で第1回東京ガーデンパークアワードが開催されている。多数の応募者から選ばれた5人が、宿根草の新たな活用場面である「持続可能なロングライフ・ローメンテナンス」のテーマに基づきガーデンが制作されている。これまでのガーデンコンテストと一線を画し、デザインばかりでなく植栽基盤や排水対策、植物の組み合わせ等の妙を競っている。春から秋まで長期にわたり審査があり、最終的に優劣が決まる。これまでの一過性的な植栽にくさびをうち、長期にわたる観賞性とローメンテナンス性を併せ持つガーデンの提案をすべき時が来たと思う。造園・緑化業界をあげて取り組んでほしい。