問題 vol.20
コンテナ栽培
柴田忠裕先生から、園芸に関する問題を出題!
問題文が正しいと思えば「⭕」、間違っていると思えば「❌」で解答してください。

流通する鉢物は、ポリポット、素焼き鉢、プラスチック鉢(以下プラ鉢)、不織布ポット等に植えられているが、同じように管理して構わない。
残念! 不正解です
正解です!
素焼き鉢、不織布ポットは通気性の良い素材でできており、水や空気が出入りし、鉢の温度を下げたり、根への酸素の供給や余分な水の排出が可能であるが、ポリポットやプラ鉢、うわぐすりを塗った陶器鉢などは通気性が悪いため、特に灌水は慎重に行う必要がある。


ポリポットやプラ鉢はさまざまな色調のものがあるが、生育に大きな影響は少ない。
残念! 不正解です
正解です!
夏場の太陽光が直接鉢に当たると鉢土の温度が上がり、生育が抑制される。最も高温になる色は熱を吸収する黒色で、40℃になることも。熱を反射する白色、灰色はそれに比べ上がりにくい。花の色と合わせたポットで栽培することもあるが、夏場の生育を確保したい場合、ポットの色を考慮することを勧める。


長い間同じ鉢で栽培し続けると、根がとぐろのように巻いて(サークリング)、その後の生育に大きく影響する。
正解です!
特にポリポットやプラ鉢で長期間栽培し続けると、鉢内にとぐろのように根が巻く。これは、鉢壁と鉢土の間にできた隙間に空気を取り込むため根を伸ばしたものであるが、長期にわたると自分の根で空気が入り込む隙間を塞ぐことになり、次第に生育が衰える。植え替えに当たっては、この根をほぐし長い根を切り詰める必要がある。

残念! 不正解です

サークリングを抑制する形状のポットがある。
正解です!
ポット栽培の根は、基本斜め下に伸び、栽培が長期にわたるとサークリングを起こす。鉢壁に翼が突き出ていると根はそれに当たり、方向転換する。また、鉢壁に多数の空気取り入れ口があると、鉢壁と鉢土の間に根を伸ばすことなく酸素が得られるため、サークリングが起きにくい。

残念! 不正解です

過湿を嫌う植物の鉢栽培は、排水を良くするため、鉢底にゴロ土を敷き詰める。
残念! 不正解です
正解です!
園芸書では鉢栽培の際、排水を促すため鉢底にゴロ土を敷けと書かれている。灌水した水は下方に移動し、大部分は鉢底から流れ出るが、表面張力で土の粒子間についている水は流れ出ない。ゴロ土でも同じであるから、栄養ある培養土を充填する方が生育が良く手間も省ける。

園芸知識コラム vol.20
先だって、住宅メーカーを招いて研修会が開かれた。各社それぞれ緑化推進構想を持っており、緑化の重要性を認識していたが、使われる緑化植物は似たり寄ったりの感が否めなかった。地域性を加味した緑化が重要であると常々考えていたが、実際は選択の幅が狭いことが判明した。生産現場では多様な植物が生産されているのに、現実はそれが反映されていない。生産と需要者のミスマッチングをなくすべく、活発な対話、意見交換の重要性を痛感した。