グリーン情報の思い出

創刊500号記念ありがとうございます
グリーン情報

グリーン情報の思い出


グリーン情報 創刊500号記念

グリーン情報の思い出
山川正浩

グリーン情報での思い出は、なんといっても雑誌作りだが、雑誌以外でも思い出は多い。セミナーはじめ、国内外のツアーの企画催行や、ガーデンを考える会をはじめ、いろんな諸団体を呼びかけたり事務局を引き受けた。雑誌以外でも多くの方のご協力を得ながら業界に情報発信してきたと思っている。

雑誌以外での取り組みを振り返ってみたい。

◼︎ツアー、セミナー、勉強会

園芸店視察ツアー

グリーン情報は雑誌あってのグリーン情報だが、雑誌の足腰を強めるのに役立ったのは、1993年6月に始めた全国の優良な園芸店をめぐる園芸店ツアーだったと思っている。このツアーは、約30回開催したが、視察先は全国の優良な園芸店でバスで1泊2日、10店舗ほど視察するもので、全国からの参加者も8割、9割が園芸店のオーナー、店長クラス、見るほうも見られるお店も真剣勝負だった。バスの中では、当時、園芸店経営指導で人気絶頂だった田住治之氏の園芸講座もあった。人気が高かったのはいくつかの理由がある。まず、全国の園芸優良店がカメラ持参でみられたこと。参加者が園芸店で、普段は近くのライバル店、あるいは遠方のお店との情報交換は難しかったが、同じ目的でツアーに参加しているので、本音で情報交換がしやすかった。また、視察後には、視察先の良かった点、気づいた点などを無記名で書いて視察先や参加者に提供。視察先店舗も同業者の目で見た欠点など、自分では気づかなかった点の改善に役立ち、同じ店に2度、3度と視察をお願いしても断られることはなかった。また、参加者も、毎回の常連も多かったが、3年後、4年後はどう変わっているかを確認するためのリピーターも多く、開始して数年は、ほぼ2〜3日で定員いっぱいであった。

園芸店ツアーによって全国の園芸専門店情報が公開されたと思っている。

また、雑誌作りの足腰を強化したというのは、全国の優良店舗を自身で2度、3度と回ったこと、園芸店等参加者のニーズ、求めている情報が何かを肌で知ることができ、それを誌面に生かして編集できたと思ったからだ。

植物生産地、都市緑化、フラワーショップ、海外ツアーも

直接現場を視察、情報交換する園芸店ツアーは、参加者から非常に参考になったという声を多くいただき、園芸店舗だけではなく、植物生産地の視察研修も関東、東海などで数回開催。また雑誌で都市緑化最前線の連載していたこともあり、屋上緑化や屋内緑化の視察研修も関東や関西で開催。園芸店も切り花を置く店も増えてきたこと、切り花経営の記事も連載していたこともあり、フラワーショップ視察・研修ツアーも行ったこともあった。

海外ツアーも国際航空旅行サービスとの共催などで何回も企画したが、思い出に残っているのは「仕入れに生かそう」をテーマにヨーロッパとハワイの2回、昆明花博である。

セミナー

園芸店向けのセミナーが本格的に始まったのは、グリーン総合研究所の田住治之氏による1993年の「10億円クラブ」からで、2泊3日の「サマーセミナー」、「元気が出るガーデンセンター」など田住氏のセミナーが10年余り、年間プログラムや単発セミナーなど切り口を変えて続いた。フラワーショップ関係も花のステップ、上田明良氏を講師に、「フラワーショップ1億円クラブ」、「フラワーショップ経営大学」など、また、オランダ国際球根協会との共催による「球根を売るセミナー」や、イギリス大使館との共催で開催したこともあった。エクステリア関連のセミナーも何回か開催した。東京・大田市場で毎月1回の年間連続セミナーもあったり、多い年にはセミナー、ツアーを年20回以上も開催し社内から「本業が何かわからない」と言われたこともあったほど。

10以上の事務局引き受け

無料、有料もあるが、多くの団体の事務局を引き受けてきているのもリーン情報の大きな特徴だと思っている。多く団体を呼びかけたり事務局を引き受けて情報網、人脈を広げてきた。各団体での活動、イベントの開催も含めニュースは待つばかりでなく、作るものであると思っている。

NPOガーデンを考える会

園芸業界とエクステリア業界の交流の場として提案し、EX系ではリック堀田社長、東洋エクステリア杉本社長の呼びかけで、双方からの賛同者を得て76社で1998年に発足、事務局。ジャパンガーデニングフェアやセミナーを多く開催、東日本大震災の後には6年間、東北の小学校に花や用土、プランターなどをもって、震災支援を行ったこともあった。今も新しいガーデンを考える会の事務局として継続している。

ジャパンガーデニングフェア

ガーデン会設立の翌年、タカショー高岡社長の提案で、エクステリア&ガーデンショー(翌年からジャパンガーデニングフェアと改称)を東京ビッグサイトで事務局として開催。ジャパガは10回開かれたが最初の1回と最後の3回の事務局をした。

ジャパガに関わっていたことから、大阪や名古屋でのガーデニングフェア開催の助っ人を頼まれ、協力したこと、名古屋での「12人の庭展」の呼びかけも行った。

フラワートライアルジャパン(FTJ)実行委員会

事務局を受けたのは2009年、第2回目から。以降、続いているが、思い出深いのは初日夜の来場者・出展者の合同懇親会。最初のころは農水省とともに代議士も参加したこともあり、立食形式で熱気むんむん、園芸業界全体の祭典の雰囲気があった。FTJの出展者が年々増え、また事務局をやりながらFTJのガイドブックを制作し応援したのはグリーン情報としても売り上げにつながり、ウインウインの関係であった。

ホルト会

2010年、小売店、生産者、造園、エクステリア、種苗商社などの若手後継者を中心に呼びかけた。多くの参加者は、親がガーデンを考える会に参加していて、親は異業種との交流は活発であったが、子の世代となると同業者だけの交流がほとんどだったことから、子にも異業種交流を、という親の世代からの要望で呼びかけた。設立時は岐阜大・福井教授の勉強会であった。約10名の30代を中心とした若者が勉強会を開いたりお互いの会社を訪問し、夜には懇親会で交流を深めた。メンバーは今は業界の中堅として活躍している。

このころは、FTJ の事務局もしていて、FTJ の実行委員も30代、40代が中心で、若者を応援していたというと口幅ったいが、若者と一緒にいることで元気をもらっていた。

全国鉢物消費拡大プロジェクト委員会(鉢プロ)

2011年に呼びかけ。2011年に切り花関係者による「フラワーバレンタイン」キャンペーンが始まったのをきっかけに、花普及センターの本田さん、FAJの田中さんから声をかけられ、鉢物もキャンペーンをしたほうがいいと声をかけられ、呼びかけ人のお鉢が回ってきた。大手鉢物市場3社のトップ、FAJ藤澤社長、大植藤原社長、豊明福永社長に話をすると、2つ返事で了承。また他にはどこの市場を勧誘するかなど、スムーズに鉢プロは立ち上がった。当初の鉢プロの活動はポスター作りとフラワーバレンタイン鉢物商品に付けるタグの制作、販売で、グリーン情報もガイドブックを作って応援。5年ほどで事務局を辞退した。

鉢プロはその後、新しい事務局の下で名称も全国鉢物類振興プロジェクト協議会となって農水省とのかかわりを深め鉢物の振興活動をしている。

日本園芸文化ルネッサンス協会

2006年のジャパンガーデニングフェアにおいて、ガーデン会理事、JA東海グリーン前田社長提唱の江戸時代の園芸文化が展示され、その文化性の高さに大きな反響を呼んだ。それをきっかけに組織的に取り組む協会を作ろうとなり、設立会合に参加していたグリーン情報に、小笠原左衛門尉亮軒(名古屋園芸)初代会長より「事務局はマスコミがやるのがいい」の一言で事務局に。(公社)園芸文化協会監修のもと復刻版伝統鉢を会員より受注生産して16年になる。

屋内緑化推進協議会、需要創造会議

「屋内緑化推進協議会」の事務局は2022年3月から4か月ほどであったが、屋内緑化推進協議会の設立の契機となった「需要創造会議」という勉強会を園芸関係者に2012年に呼びかけた。約10名で、それぞれが考える園芸の需要創造などを提案、話し合った。まだ制定前だった花き振興法についても京都大学の佐分利応貴先生よりお茶の振興法を例にとって勉強したり、屋内緑化も壁面緑化の可能性などを話し合った。その中で、当時厳しい状況にあった観葉植物生産業界を振興するために、屋内緑化推進協議会の設立へとつながった。

元気会(花緑元気研究会)

2000年、地元愛知県・造園家の野村勘治氏の講話を聞く会をグリーン情報が呼びかけたのがきっかけ。いろんな業種、園芸店、造園家、エクステリアメーカー、植物生産者などが集まり、このまま1回で終わるのはなく継続していろんな業種が集まるサロンのような会にしていこうとなった。異業種交流会で、基本的には視察や勉強会をしてから懇親会を持った会で数年は事務局を受け持った。いまも名古屋を中心のサロンとして存続している。

日本ガーデンセラピー協会

2019年、たまたま名古屋で開かれた同協会のセミナーを取材に行ったところ、同協会の担当者から、事務局の依頼の話を受けた。協会の主旨には関心を持っていたことと、それまで多くの事務局を引き受けて人脈、情報収集等に役立っていたことから引き受けた。継続中。

書籍・単行本の発行

今まで30冊近くを発行してきたが、個人的に特に思い出深い書籍は以下の3冊である。

『屋内緑化デザイン』

1992年の発行で、その前年に北米の屋内緑化視察に参加。グリーン情報でも北米の屋内緑化最前線を紹介したが、観葉レンタルとは次元の異なる屋内緑化事例は大きな反響を呼び、東京農業大学の近藤三雄先生に相談し単行本化。

発刊記念にグリーン情報としては第1回目のセミナーを屋内緑化現地のアマダで開催し、以後、セミナーや勉強会が増えていった。このころからグリーン情報誌の都市緑化に関する記事も増えていく。

『日本における園芸療法の実際』

2002年に発行。当時、グリーン情報では園芸療法の記事をよく取り上げていたが、関係者の会合などで、実際にはまだ日本での取り組みの日が浅いために試行錯誤しているという話を聞き、必要な情報なら集めようと。

どこに現場があるのか、誰に原稿依頼をすればいいのかわからず時間はかかったが、多くの関係者の協力を得て作った。

『これからの屋内緑化・マニュアル』

2015年に屋内緑化推進協議会が発行。発足間もない屋内緑化推進協議会の議論の中で、これから屋内緑化は飛躍的に普及していく可能性が高いが、施工、維持管理が上手くできず屋内緑化は難しいとならないために施工・管理のマニュアルが必要となり、グリーン情報に企画・書籍化を依頼された。

園芸業界では、かつてハイドロカルチャーがブームになりかけたが、ハイドロカルチャーの基本を知らずに飛びついた園芸業界は大失敗。その轍を踏まないためにも屋内緑化マニュアルの必要性を感じ、制作を引き受けた。企画では、世界で著名なパトリックブラウン氏の作品を巻頭で紹介するのがよいのではないかと考えたものの、連絡先もわからず、誰を介して依頼すればいいか…一時はあきらめかけたが、いろいろ当たって原稿を入手するまでの半年間は長かった。


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